宗教の発展 その二 - Religious Development 2

一八六八年、神道は復古主義の下で、「古道」という名で呼ばれるようになりましたが、一九四五年、第二次世界大戦が終焉を迎えると同時に他の宗教と同じ鞘に収まりました。宗教は、日本人の精神の一部を成しているという事実に目をむけず、日本人の思想を理解するのは不可能です。古代の民間信仰に起源を持つ神道は、新たな宗教と融合を繰り返しながら何世紀もの間続きました。古代の宗教は、平和的な信仰を基盤とし、誰にでも適しているなど、ドルイド教と多くの共通点を有していました。

同じ頃、仏教が民間信仰と手を携えて行く中からある種の共感が生まれました。十二世紀から十三世紀にかけての事です。各宗教の教義を説明するのは容易ではありませんが、詰まる所、全ての事物、全ての人間は、宇宙の一部であるという事に尽きます。この事を認識することによって、支配者である神と非支配者である我々の完全な融合を実現することが可能になるのです。

日本語で「華厳」と呼ばれるこの思想は、仏教でいうところの「花輪の経典」に当たります。様々な宗教を調べてみると、数多くの共通点があることに、気付きます。例えば、大和の女神天照大神は、日本を治めるために孫の☆ニニギノ命☆を遣わす際、数ある物の中から鏡を与えました。天照は命に、その鏡を覗き込めば何時でも自分に出会えると説きました。このことは、神は我々全ての中に宿っているということを意味します。

仏教の華厳や阿弥陀の教えは大変よく似ています。さらに、キリスト教の教義でもほぼ同じ事が説かれています。神は我々一人一人の中におり、誰でも誠心誠意尽くせば、容易に気持ちを通わせる事が出来るのです。そしてそれが争いの無い世界の実現へと繋がって行くと思うのです。