筆記用具 - Writing Tools

筆記用具

ペンと鉛筆、どちらが先に発明されたと思いますか。実はペンが先でした。しかし、当時のペンは、今日私たちが使っているものとは似ても似つかないものだったのです。初期のペンは、木、またはアシの茎でした。その後、インクを少しためておくことができ、筆のように先を頻繁にインクに浸す必要のない、羽ペンが使用されるようになりました。私は以前友人の一人に、当時羽ペンセットなる物を贈ったことがあります。ペン先を削るためのナイフも付いており、とても美しいものでした。

鉛筆は、ペンや筆を持ち歩きたくないという人々の願いから生まれた、最も新しい筆記具です。インクは汚れますが、鉛筆のおかげでインクが不要となり、羽ペンに比べずっと早く書けるようになりました。日本で文字を書くことが広まったのは、仏教が国教となった8世紀ごろからです。日本の歴史の記録が整っていないのは、そのためです。筆は中国でかなり早い時期に出現しました(年代は不明です)日本に伝来すると、筆は着実に普及していきました。

筆と墨を携帯するための道具、矢立ても筆記用具の一つでした。これは、文字を書ける人が共通して持ち歩いたもので、とても優れた発明でした。現在では使用されていませんが、収集している人は大勢います。矢立ての多くは、高価な金属を使って飾り職が加工したもので、とても貴重な物です。私もいくつか持っていますが、どれもあまり珍しいものではありません。もっと価値のあるものなら良かったのですが。人々は、矢立てを帯に挟んで携帯しました。矢立てというのは、矢の入れ物に入れて持ち歩いたことから付いた名前です。武士はだれでもこの入れ物を持っており、物を入れておくのに便利だったため、これにいろいろな物を入れて持ち運んだようです。

4、5年前にオーストリアの山中で発見された古代人も、矢の入れ物に物を入れており、この古代人の矢には羽が付いていました。文化の年代や起源は、このようにして明らかになります。歴史の勉強とは、本当におもしろいものですね。矢立ての起源について、はっきりとしたことはわかっていませんが、江戸時代初期には広く普及しました。頑丈な入れ物に筆と墨を収納し、少量の水さえあれば字を書くことができるという、非常に実用的な設計でした。事実、とても便利なものでした。昔の人々は本当に頭が良かったのです。しかし、書くことが国中に広まったのは、ようやく8世紀ころになってからのことでした。