土用 - DOYO

中国で生まれた十二支と五行の他もう一つ、われわれに四季を与えさらにそれを区別する役割を果たす、「土用」と呼ばれる年に4回やってくる特別な時期があります。 古代の中国人は、五行が四季を支配すると言いました。火は夏を、木は春を、金は秋を、 そして水が冬を支配したのです。そして、残った土は四つの土用を支配するとされたのです。

春の土用は27°、夏は-117°、秋の土用は-207°冬は297°という具合に、各土用の始まる日は太陽の経度によって厳密に決まっています。次にやってくる季節と90°ずつずれているのです。土用はそれぞれ18、または19日間で、季節の終わりにやってきます。近ごろでは、夏の土用しか思い浮かびませんが、他の土用も健在なのです。

農民たちは作物の作付け時期を決めるのに土用を利用していました。奇妙に思われるかもしれませんが、土用は科学に基づいているのです。春の土用は4月17日(18日間)夏の土用は7月20日 (19日間)秋は10月20日(18日間)、そして冬の土用は1月18日 (19日間)にそれぞれ始まります。こうして、各季節が18日または19日間の期間で区切られた、四つの季節から成る1年となったのです。

とても暑い夏の土用(盛夏の候)の丑の日、人々は健康のためにうなぎを食べます。また、夏の土用の3日目(土用三郎)は、来たるべき収獲の時期の米の出来を決定します。十二支との兼ね合い、さらに夏の土用は19日間であることから、盛夏の候が2回ある年が時折あります。十二支の動物たちにも、それぞれの日が割り当てられているため、19日間ある夏の土用では、丑の日が2回来るのです。土用干しもこの時期にあります。

また、日本海沿岸では土用波が観測されます。 こうした各土用における名前や日から、太陽暦と土用が農民たちにとって持つ意義を知ることができます。この慣習の起源は古代にまでさかのぼります。おそらく、農業が誕生して間もないころ彼らの天候に関する体験と農作物をめぐる努力から生まれたものと思われます。