地蔵 - Cloisonne

地蔵

地蔵はさまざまな特性を備え強い力を持った菩薩で、たいへん信仰されています。どこででも目にすることができますが、中でも事故のあった道端でよく見かけます。通常、地蔵には花が供えられ、赤い前だれがかけてあります。この赤い前だれは、地蔵を敬う気持ちの表われであり、また天候から地蔵を守るためのものです。

田植え地蔵、話し地蔵、縛られ地蔵(罪人を捕まえる地蔵)、旅地蔵、子育て地蔵(死んだ子を守る地蔵)、占い地蔵、身代わり地蔵(危険な状態にある人の身代わりになって、その人を守る地蔵)、火消し地蔵、とげ抜き地蔵(針、とげ、破片などを取り除く地蔵)など、地蔵には、多くの種類があります。地蔵のご利益(ごりやく)に関する話は日本中に存在します。

地蔵は最も親しまれている神様で、日本に起源があるようにも思われています。 しかし、これは事実ではありません。地蔵はインドからやってきたのです。地蔵には、クシティガーバ(“地球の内部”の意)という固有の名前があります。この優しく柔和な菩薩は、日本人の信仰の対象として本当にぴったりです。地蔵の人間や自然との深い結び付きが、ぬくもりと安らぎという、この国の人々が愛し必要としてきたものを地蔵に与えているのです。

地蔵には、延命(えんめい)、宝所(ほうしょ)、宝手(ほうしゅ)、持地(じち)、宝印(ほういん)、堅固意(けんごい)の六つの特性があるとされ、それぞれの特性を表し並んで立っている六地蔵をよく見かけます。お寺で探してみてください。