サメ - SHARK!!!!!

サメ

サメは獰猛な姿をしていて、だれもが恐れます。しかし、出雲の伝説ではサメがいろいろな役割を果たしているのです。その一つが、オオクニヌシノミコトと因幡のしろうさぎの物語です。この話は非常に有名で、その一場面を表す像が出雲大社にあります。

この話を紹介しましょう。 昔、隠岐ノ島に住んでいた一匹のうさぎが、因幡の国に行ってみたいと思いました。濡れるのがいやだったうさぎは、海に住むサメたちに、うさぎとサメのどちらが多いか数えるから海岸まで並んでくれないかと頼んだのです。サメは納得して隠岐から因幡の白兎海岸まで並びました。うさぎはサメの背中を飛び越えて数を数えながら、自分の頭の良さに有頂天になっていました。とうとう我慢できずに、白兎海岸に着く前に本当のことをサメに話してしまいます。怒ったサメたちはうさぎの皮をはいでしまいました。

そのころ、オオクニヌシノミコトと彼の意地悪な兄弟たちが、美しい八上比売に求婚するため因幡の国に向かっていました。兄弟たちは、オオクニヌシに荷物を全部持たせていました。先にうさぎと出会った彼らは、うさぎに海水で身体を洗い、日光に当たって乾かすように言いました。うさぎが教えられたとおりにすると、痛みはさらにひどくなりました。

そこへオオクニヌシが通りかかり、真水で体を洗い、ガマの穂に寝転がるよう言いました。うさぎが言われたとおりにすると、傷は治ってしまいました。うさぎは助けてもらったお礼にオオクニヌシの将来を占い、兄弟たちは八上比売と結婚できず、オオクニヌシこそが姫と結ばれると告げました。そして、その言葉どおりになったのですが、それはまた別の話です。次回はサメに関するもう一つのおもしろい話と、私が古い物語で見つけた、皆さんがびっくりするようなことをお知らせします。お楽しみに。