私達のふるさと、日本 - Our Place in the World

私はよく、日本に古くから伝わる民間信仰と、それがこの国の人々に及ぼした影響について考えます。民間信仰の根底にあるのは、すべてのものには魂があり、人間はそれらの魂と調和して生きなければならないという考え方です。

1年を通じて、神社では古式にのっとった祭事や儀式が執り行われます。これらの神社の中には、神道が生まれるずっと以前から存在していたものもあります。 このことが、信仰という観点から何を意味するかおわかりでしょうか。アニミズムやシャーマニズム、そのほか私たちの想像を超えるほど長い間受け継がれている慣習は、すべて、今日の宗教に取り込まれています。

このような信仰は、石、木、海、川、山、森、太陽、月など、自然界のあらゆる物を崇拝することから始まりました。 その後、人々は神社を建て、崇拝の対象をその中に移しました。やがて、建物が信仰の中心になりました。物事が変化しながら一方で変化していないというのは驚くべきことだと思いませんか。崇拝する対象がどこにあろうと、信仰は強く生き続けています。本当の日本の心を理解するには、この観点から説き明かしていかなければなりません。

日本の人々は、自然で誠実な心を持っていると思います。日本の人は、どんなときでも、最善を尽くす努力をします。 これが私が最初に受けた日本の印象でした。もちろん何でも理解できたわけではありませんが、それでも私は自分が経験していることに対して、深い尊敬、または畏敬の念を感じました。おかしいでしょうか。そうかもしれませんが、私が何十年たっても日本を離れず、この国について一生懸命学んでいる理由はそこにあるのです。

私は、日本こそ自分の本当のふるさとと感じるようになりました。日本の文化と人々に対する関心はとても深く、日本を離れることなど思いもよりません。私の人生は、このふるさと「出雲の国」について研究し、書き、伝えることに捧げようと思います。