北大路魯山人(1883 - 1959) - Rosanjin Kitaoji (1883 - 1959)

北大路魯山人(1883 - 1959)

見事な日本庭園と現代美術の優れたコレクションで知られる足立美術館には、著名な陶芸家による作品も多数収蔵されています。当地において「炎の詩人」と呼ばれる安来市出身の河井寛次郎(1890-1966)の傑作とともに、北大路魯山人の印象的な作品も数多く展示されています。

北大路魯山人は京都に生まれ、書家であり篆刻(てんこく)家でした。当時の洗練された上流階級の人々と交流を持ち、料理やその盛り付けに関心を持つに至ります。魯山人は、料理はそれに最もふさわしい器で出すべきであり、花を飾る際は、生け方に合った花瓶に生けるべきであると考えました。

そこから、魯山人の陶磁器作りが始まったのです。彼の作品は書道、彫刻、絵画、漆器、陶磁器、金加工と多岐にわたり、その多くが、料理とその盛り付けに美しさを添えました。

足立美術館には、魯山人の初期から晩年までの作品約200点が収蔵されており、そのうち約60点は、陶磁器展示ホールにある北大路魯山人のコーナーで常設展示されています。同ホールは1988年春に完成しました。

展示品は年4回入れ替わるため、彼の作品のすべてを一度に鑑賞することは不可能かと思われます。そのため、91点を抜粋し掲載した『足立美術館陶芸名品展 北大路魯山人の傑作』が出版されています。 魯山人は、料理や生け花を引き立てるために独自のデザインを生み出しました。

彼の発想は、日本人の感覚に合致しています。