小正月 - Koshogatsu

現在日本で一般的に祝われている「お正月」は、太陽暦(グレゴリウス暦)に基づくお正月です。明治5年(1872年)に太陰暦から太陽暦に改暦されるまでは、太陰暦に基づく三つのお正月が存在していました。一つは1月1日の「大正月(おおしょうがつ)」、もう一つは1月15日を中心とする3日間で「小正月(こしょうがつ)」と呼ばれていました。三つ目のお正月は「節分」で、陰暦の冬最後の日に当たる2月3日に行われていました。これは、節分の次の日からは春、つまり新しい年が始まることを祝うお正月でした。

小正月は一年の最初の満月の日に始まるお正月で、「二番正月」とも言われています。小正月は農耕との関連が深いお正月です。陰陽道(おんようどう)では、一年の福徳をつかさどる神を歳徳神(としとくじん)または年神(としがみ)と呼び、この神は農業の神であると考えられてきました。このため、小正月は現在でも農村地域を中心に祝われています。

小正月には、豊作を祈願する様々な行事が行われます。豊作を祈願する縁起物に「繭玉(まゆだま)」があります。繭玉は繭の豊作を祈るもので、柳や竹などの枝に繭の形に丸めた小さな餅や団子をたくさんつけ、その間に小判や宝船などの縁起物をつるした飾り物です。この他にもその年の農作の豊凶や天候を占う年占(としうら)の行事や、鳥追い、どんどなどの行事も行われます。