弁財天-親愛 - BENTEN - Amiability

弁財天-親愛

嫁が島という島は、婚礼の翌日に行方知れずとなった若い花嫁のなきがらを乗せて、ある夜、湖底から浮き上がったという伝説があります。この物語は時代の移り変わりとともに変わっていきますが、これは遠い昔に起きた出来事の説明としては、とてもロマンチックです。

当時の人々はその出来事を天の奇跡と考え、彼女のためにそこに神社を建て、音楽と美の女神・弁天にその神社を捧げました。ですから、嫁が島は「弁天の島」としても知られています。 実際は、女神弁天はインドからやって来ました。インドでは、弁天は親愛の女神であり、サンスクリット名をサラスヴァティといいました。

日本にやってきたときに弁天の雰囲気は変化し、音楽と美と弁舌の女神となり、大変嫉妬(しっと)深い性質を持つようになりました。実際はヒンドゥの女神だったのですが、仏教に取り入れられたのです。 昔、琵琶を弾く人は結婚しようとしませんでした。それは、弁天が嫉妬から自分たちの才能を奪ってしまうと考えたからです。

また、もし夫婦で弁天に詣でると、いろいろな問題が生じて、多くの場合が離婚するはめになるとも考えられていました。 ほんとうに、弁天は非常に力のある面白い女神で、七福神の一人となっています。七福神は、土産品店で「宝船」と呼ばれる船に乗っている姿をご覧になったことがあるでしょう。

弁天は七福神のうちただ一人の女神で、いつも琵琶を抱えています。また、白蛇を連れていることでも有名です。蛇は嫉妬の象徴であり、白蛇は弁天の象徴です。弁天を祀る神社はたくさんあり、松江近郊の佐太神社もその一つです。佐太神社には白蛇が現れたという話もあります。