五百羅漢 - 500 Rakan

五百羅漢

家内と大森銀山を訪ねている間、500体もの羅漢像がある小さな町を訪れました。全ての像の完成に約20年の歳月が費やされ、その制作には坪内平七と彼の息子、およびそのほかの職人たちが携わりました。石でできた像たちはさまざまな表情をたたえ、さまざまな位置に座しています。注意深く見ていると、自分や友人に似た像を見つけることができるといわれています。

私は自分に似た像を見つけることができませんでしたが、これはおそらく私の鼻が英国風で、日本の皆さんのかわいらしい鼻より少し大きかったためでしょう。結局、そこで自分に似た像を見つけることはできませんでしたが、一つ一つの羅漢像がたたえる表情に私は強い感銘を受けました。近いうちにもう一度訪れてみたいと思います。そのときはもっと長い時間を像と共に過ごし、像と彫師が像に持たせたかった雰囲気を理解できるよう努めるつもりです。また、そこで友人に似た像を探してみようとも思います。

像は洞穴の中の扉の向こう側にありますが、容易に中に入ることができます。おそらく、羅漢寺と呼ばれる小さな寺と多くの羅漢像のあるこの場所は、看病してくれる家族もなく、何も残さず死んでいった多くの鉱山労働者たちにとり最後の安息の地となったのだと思います。人間はだれ一人として肉親や友に忘れられてはなりません。たとえ、彼らが大森銀山の鉱山労働者たちがそうであったように、奴隷になるとしてもです。

大田を訪れる際、羅漢寺と五百羅漢への訪問は重要なです。もしかしたらこうした場所は、どこにでもあるものの中で最も興味深いものの一つかもしれません。だれもが日本の歴史、とりわけ皆さんのふるさと、山陰地方の歴史について各自できるだけ多く学ぶべきであると強く思います。日本の中でも美しいこの地域は、私のふるさととなりました。私はこの地を心から愛しています。すべての人とこの気持ちを分かち合えればと願います。