塩見縄手 その二 - Siomi Nawate 2

塩見縄手 その二

そば処・八雲庵を後にして、塩見縄手の散策を続けましょう。 東に向かって歩を進めていくと、江戸時代中期に建てられた武家屋敷が待ち構えています。

松江城は生活するためではなく、戦用に造られた城だったため、武士達は城外に居住せねばならず、多くは塩見縄手に住んでいました。今に至るまで保存されて来た武家屋敷からは、当時松江に暮らした武士達の生活の様子を知ることが出来ます。

屋敷の建物自体は絢爛とも豪華とも言えないものです。それどころか、武士の住居にしては、むしろ想像していたよりも小さいくらいです。その理由として、幕府の厳しい取り立ての結果、松江藩が困窮状態にあったことが挙げられます。重税は、謀反を封じ込める手段としては極めて有効だった様です。

武家屋敷は決して立派な建物ではありませんが、そこから当時を生きた武士達の生活様式を窺い知ることが出来ます。屋敷内で働く奉公人もいれば、屋敷の外で働き決して中に入ることの無かった者もいた様です。 屋敷の中を歩き回りながらそんな事を考えていました。

武家屋敷は質素な建物ですが、この街には歴史の中の一こまである階級制度を偲ぶことの出来る場所が、日常生活からほんの一歩外れた所に今も残っているのです。

誰でも一度は訪れてみる価値のある所だと思います。個人的な事を言えば、英語の解説がもっとあれば嬉しいです。この、長い歴史から成り興味尽きることの無い史跡を是非御覧下さい。