隠岐諸島 - The Oki Islands

隠岐諸島

およそ180の島と小島から成る隠岐諸島は、松江市から約80キロ、ほぼ真北の所に位置しています。隠岐についてお話するのは、実に難しいことです。というのも、我々から遠く離れたところにある隠岐は、多くの人々にとり実在する場所というより架空の場所のように思えるからです。友人との会話の中で隠岐の名前が出てきても、私たちが思い浮かべるのは、草に覆われた山々、岩場の多い海岸、高いがけ、牛突き、牧草をはむ馬、美しい風景であり、この地が歩んできた実に興味深い歴史に思いをはせることはほとんどありません。

隠岐は長い間、日本海を航行するすべての船舶の海港でした。そして、水夫たちは隠岐に自分たちのふるさとの古い民話や民謡を残していきました。今では、こうした歌や物語は隠岐の文化の一部を成しています。

今日の隠岐は、人の住む四つの島を大勢の観光客が訪れる観光地となっています。人が住んでいるのは、中ノ島、西ノ島、知夫、島後です。

こうした島々は、古い港としてだけでなく724年から1880年にかけて多くの政治犯が追放された島としても知られています。 昔の隠岐には、朝廷が自分たちが利用するために農民の馬を徴用するという習慣がありました(こうした馬は“徴馬”と呼べばよいのでしょうか?)。馬を徴用するため、長(おさ)たちは鈴を一帯に鳴り響かせました。この鈴は「隠岐の駅鈴」と呼ばれ、その音は今でも力強く澄んでいます。いくつかこの地の博物館に展示されています。

日本や島根県のたいへん重要な歴史的、文化的史実を学ぶうえで、隠岐への旅は意義深いと思いませんか。また、自然の美あふれる隠岐への旅は、決して忘れられないものになると思います。