正座(せいざ)/あぐら - Seiza (sitting formally on tatami) and Agura (sitting cross-legged)

畳の上での座り方には、正座とあぐらの2通りの方法があります。正座は正式な座り方で、両足を折り畳んでかかとの上に腰をのせる座り方です。儀式などの正式な場や改まった状況では、必ず正座をします。具体的には、葬式、お茶会や生け花の席、儀礼的な挨拶を交わすときなどです。正座は、慣れていないとすぐに足がしびれて立ち上がれなくなってしまいますが、慣れると長時間でも苦痛を感じることなく正座をし続けることができます。正座は、背筋を伸ばして座るため、体の中心線が畳の面と垂直になり、良い姿勢を保つことができます。このような安定した座り方は、精神統一にもよいとされています。上手に正座をするには、両足の親指を軽く重ねるようにして座り、ひじを張らずに肩の力を抜きます。

正座が正式な場での座り方であるのに対し、あぐらは酒席などの格式ばらない気楽な状況での座り方です。両足を前に出し、ひざを楽に曲げて片足をもう一方の足の上にのせて座ります。あぐらは、欧米の人々が足を組んで座る座り方とはまったく異なるため、欧米の人々には奇妙な格好に見えるかもしれません。あぐらをかくことは男性だけに限られています。女性が足を崩して座るときには、正座の足をそのまま横に流して座ります。「あぐらをかく」という表現は、比喩的に「自分では何もしないで、いい気な態度でいる」という意味でも用いられます。