出雲と筒書き - Izumo and Tsutsu Gaki

出雲と筒書き

先日出雲を訪れた際、☆ながたやすし☆さんという方のお店に立ち寄りました。あいにくやすしさんは不在でしたが、息子の☆しげのぶ☆さんが、私の数え切れないほど多くの質問に辛抱強く答えて下さり、色彩豊かで繊細極まりない筒描きの幾つかを見せて下さいました。沢山の観光客で賑わい、お店は繁盛しているようでした。染めや彫刻がまだ途中段階の完成前のものが所せましと並べてありました。

染料には藍色を用います。そして、染めれば染める程色は濃くなって行きます。色褪せることはなく、いつまでもその輝きを保ちます。また、極めて日本的なその模様も外国人を魅了します。私は、蝶、亀、竹、花といった芸術的な美しさを秘めた模様が好きです。自分でも収集したいと思います。しげのぶさんが青白い濃厚な糊を筒描きに塗るための道具を見せ、その工程を実演して下さいました。

この糊は染めない部分に塗って色が付かないようにします。模様を糊で覆い、必要な部分をを染め上げて行きます。時折、藍色に似た色を模様に使用することがあり、その際は作業が大変難しいものになります。私のお気に入りは藍色一色を施したものです。 目的の色に染まった部分から順に糊で覆い、濃淡を付けることも可能です。一つの筒描きを12回以上染めることもあります。決して楽な作業ではありませんが、出来上がった作品はこの上なく美しいものです。