日本の芸術 2 - Japanese Art (2)

松江市周辺では至る所でお茶が栽培され、人々の生活はお茶や茶道と深く結び付いているようです。多くのお茶屋さんがあり、どこででも緑茶を味わうことができます。街の真ん中に焼き物の窯があり、抹茶茶碗などの茶道具を作っています。その一つに福島という窯がありますが、お嬢さんの恵美さんは何年もの間焼き物の勉強をしていらっしゃいます。すばらしいことだと思います。

そのほかに「袖師」、「楽山」といった名の通った窯も街中にあります。この地域一帯に、布志名、出西といった窯があり、小さな窯で美しい焼き物が作られています。伯太の母里窯、来待の寿康窯などいくつか思い浮かびます。ほかにもまだたくさんありますが、おそらくみなさん既にご存知でしょう。 私は、福島さんのお嬢さんの恵美さんのような若い人が、古い美術や工芸に懸命に取り組んでいる姿を見るのがとても好きです。筒描藍染や型染めを始めとする多くの伝統工芸は、現在活動している熟練職人たちが働けなくなれば消えてゆく運命にあります。

日本の若者の多くが、日本のすばらしい伝統を継承することよりも、ただ享楽的な生活を送ることしか考えていないのはとても残念です。歌舞伎や文楽といった伝統芸能も、存続が危ぶまれています。現在、歌舞伎を演じる外国人のグループがあります。また、多くの外国人学生たちが、文楽や和紙作りを学んでいます。私は、これはやむを得ないことだと思います。本来、純粋な日本のスポーツだった柔道にさえ、多くの外国人師範がいるわけですから。外国人であっても継承される方がよいと思います。

だれもが伝統的な美術工芸を趣味として学べば、とてもすばらしいことではないでしょうか。ご存知のように、私は型染めを習っています。何をするにもそうですが、私はこの形染めにも全身全霊を込めて取り組んでいます。ほかにも何人か、この工芸の世界に引き込んだのですが、おそらくみなさん熟達することでしょう。みなさんも何か始めてみませんか。日本の芸術は世界で最も美しいものの一つなのです。