大社と美術 - Taisha + Art

八月七日、再び大社町を訪れ、そのまま鷺浦まで足を伸ばしましたが、これまでで最高に楽しいドライブとなりました。山々は美しく、海岸は美しさの中にも力強さを湛えていました。海水浴場もあり、岩場が多いものの、水は透み切っており、沢山の人達が日本海の冷たい水と戯れていました。水着を持っていなかった私は彼らを羨ましく思いました。

大社にいる間に、友人の藤間さん宅を訪ね、素敵な奥様と可愛いお嬢さんの☆ミキコ☆さんにもお会いしました。お茶や果物を頂き、大変楽しい一時を過ごさせて頂きました。藤間さんは、私が大変関心を持っている日本の古美術の優れたコレクションを見せて下さいました。例え、何時間、何日間見ていても飽きの来ないものでしたが、長居は無用です。後ろ髪を引かれる思いで藤間さん宅を後にしました。藤間さんは大変博識で、博物館を建てても良いくらいの方です。

私は一人で誰かを改まって訪門するのが苦手です。そこで、家内が多忙だった為、谷口さんという松江で仕服(小物を入れる布袋)を作っている気さくな女性と一緒に出掛けました。彼女は仕事や趣味について色々話して下さり、興味が尽きませんでした。多くの若い人達が、日本の伝統工芸にもっと興味を持ってくれたらと思います。

日本の人々がこれまで生み出してきた作品には、あまりの美しさに形容する言葉が見付からない程です。作家達の、自らの作品をより完全に近づけるための繊細で、緻密で計り知れない努力に目を向ける人は殆どいないことから、彼らは自分自身のみの為に創作に励んでいるように見受けられます。作家というものは自らの作品に強い誇りを持っており、強い忍耐力を持って精進して行く存在なのです。私は彼らに尊敬の念を抱かずにはいられません。果たして私達に同じ事が出来るでしょうか。