布袋-寛大さ - Hotei - Magnanimity

布袋-寛大さ

寛大さの象徴として僧・天海によって選ばれた布袋は、唐末五代の仙人です。この名前を聞くと、太った人を思い浮かべます。「太っている」という言葉は人間に使うには良い言葉ではありませんが、この場合は、「ぽっちゃり」とか、「がっしり」よりはぴったりする感じです。布袋のおなかはよく目立ち、こんなおなかをしている人を見かけると、すぐに布袋を思い起こします。

さらに大切なことは、布袋は、仏教の救世主であるマイトレヤの生まれ変わりと考えられていることです。朗らかな性格という点では、布袋の右に出る人はないでしょう。太ってすべすべして、にこやかな顔付きは、布袋が生きる喜びに満ちている人だ、ということを示しています。

仏教の僧の衣を着て、肩に大きな布の袋をかつぎ、幸せそうに、栄え、満ち足りた風情です。布の袋を持っているところから、布袋は何かを集めているように見えますが、本当のところは、布袋と信者が必要とする生活必需品のすべてを担いでいるのです。またこの袋には、布袋を信じる人々のための財産が詰まっていて、西洋神話の「豊饒(ほうじょう)の角」のようにいつもいっぱいになっています。

布袋像のおなかをこすれば幸運が得られると信じている人もいて、ゆえに布袋像を見るといつもおなかが光っています。西洋には、「希望は永遠にわき出る」ということわざがありますが、これは日本でも同じでしょう。布袋は子供への愛情が深いことでもよく知られています。布袋は、中国から「ブダイ」あるいは「プタイ」という名前でやってきたという考え方は、ホテイという名前の由来をよく説明しています。また、幸福と充足の神とも考えられ、知っているとよい神様です。