茶の歴史 - The History of Tea

お茶は729年、中国から仏教の伝来と共に日本に渡って来ました。しかし、一般に普及する様になったのは今世紀に入ってからのことです。

その理由として、それまでお茶は中国から輸入していたこと、高すぎて一般の人には手が出なかったことが挙げられます。加えて、お茶は仏教の儀式でのみ用いられており、当時お茶を目にする事が出来たのは、僧侶や支配階級といった人達だけでした。

お茶は何と五百年以上に渡り外国から輸入され続け、日本での栽培が始まるには、1191年まで待たなくてはなりませんでした。実に驚きです。

当時の日本人は自分達独自の技術を開発しなくてはならず、日本でお茶の栽培が始まっても手探りの状態が続きました。しかし、日本の歴史を紐解いてみると、こうしたことは決して珍しくない事が分かります。

今日でも、日本人は外国の文化を取捨選択し、実用的なものを好みに合わせ自国の文化の中に取り込んでいます。これは日本人の持つ極めて現実的で貴重な特質なのです。

今日でも、日本の人々はお茶を愛飲し、大勢の若者が茶道に親しんでいます。私はお茶会、中でもその雰囲気が好きです。皆さんはいかがですか。

松江藩7代目藩主、松平不昧公は偉大な茶人という、もう一つの顔を持っていました。彼はお茶の栽培はもちろん、漆工芸、和菓子、金属細工品、竹工芸など、お茶と結び付きのある様々な芸能を奨励しました。

松江藩は貧しい藩でしたが、不昧公は大変優れた茶人であったと聞きます。魅力的な不昧流は現在でも多くの門下生を抱えている流派です。