茶の栽培 - The Production of Tea

茶の栽培

日本で生産されるお茶は全て緑茶で、その内の90%が煎茶です。煎茶には日本人が好むアストリンジェントの味が含まれています。玉露は高級茶ですが、他のお茶と比較するとアストリンジェントの味は弱いものです。

抹茶は茶会で用いられる粉末状の緑茶、番茶は等級の低いお茶です。他にも数多く種類がありますが、上記のお茶が主に日本では飲まれています。しかし、抹茶はお茶の栽培が日本で始まった当初から存在していました。

日本における抹茶の歴史は僧・栄西が1191年、中国からお茶の種を持ち帰った時に始まります。栄西は種を寺の敷地に植え、周囲の者に茶の湯の徳を説きました。意外なことに、お茶が人々に広く飲まれる様になったのは、今世紀になってからです。

この実現に、緑茶の大量生産を可能にした技術的進歩が果たした役割は大きく、それ以前に茶道を愛好していたのは僧侶や貴族階級のみでした。

18世紀中頃になると、煎茶の処理する特殊な方法が生まれます。19世紀中頃には玉露栽培の技術が開発されました。そして今世紀に入り大量生産が始まると、遂にお茶の味は日本中の人達の知るところとなったのです。全く持って驚きです。それまで、日本の人々は何を飲んでいたのでしょうか。

穀物から作るお茶は世界中で愛飲されています。“日本人には穀物を原料としたお茶を開発する力が無い”などという人がいますが、全く馬鹿げた考えという他ありません。

麦茶は日本の人々の間で長い歴史と根強い人気を誇っていますが、この麦茶こそ日本中の人達の喉を潤した最初の飲み物なのです。