伊耶那岐と伊耶那美 - Izanami and Izanagi

出雲神話を続けていくために、伊耶那岐と伊耶那美に話を戻さなくてはなりません。 二人は自分たちの手で創造した土地に降臨し、巨大な柱と壮麗な宮殿を築きます。彼らは子供を欲していました。

そこで二人は柱の回りを反対の方角へ向かって歩き、出会ったところで土地と神々を作ることにしました。伊耶那岐と伊耶那美はこれを実行に移しますが、柱の反対側で出会った際、伊耶那美は何気なしに「何と美しく雄祐しい若者でしょう」という言葉を口にしました。伊耶那岐は女が先に口を開くべきではないと思いながらも、「何と美しく魅力的な乙女じゃ」と切り返します。

二人はそこで一人の子供を設けるのですが、それはナメクジのようなひどい生き物でした。そこで伊耶那岐と伊耶那美は、そのナメクジの子供をアシの船に乗せ海へ流してしまったのです(ほかのいくつかの物語の中で、この船は美保関に流れ着きこのナメクジの子供は七福神の一人・恵比寿になりますが、この説は後に続く伝説との整合性を欠いています)。

その後二人は、泡の島のような子を設け「あわ」と名づけましたが、その子も二人が望んでいたようなものではありませんでした。伊耶那岐と伊耶那美のしていたことには明らかな誤りがあったのです。

どうしても子宝に恵まれたかった伊耶那岐と伊耶那美は助言を求めることにします。 二人は天に戻りすべての神々と討議します。神々は、伊耶那美が先に口を開いたのがよくなかったのだ、地上に戻り正しい方法でやり直すべきだ、と進言します。明らかにこれは、男性中心の社会です。

伊耶那岐と伊耶那美は今1度地上へ舞い戻り、柱の回りを歩くという行為をやり直します。伊耶那岐は最初のときと同じ言葉を繰り返し、伊耶那美もそれに続きました。ただし、今度は伊耶那岐が先にです。果たして、二人は35人の神々と14の島を生み、それらは彼らの築いた王国の礎となったのです。

ナメクジの子供も泡の島も二人の子孫の中には含まれていません。こうした子作りはすべての社会で繰り返し行われ、異国からやってきた人々によってこうした島々にもたらされたに違いありません。

このことが起きた正確な時期について知ることはできませんが、ほとんどの場合推測することは可能です。 もちろん、その時期とは、神話や伝説の種類によって異なります。