寿老人-長寿 - Jurojin - longevity

寿老人-長寿

寿老人は長寿、つまり長生きの神様です。寿老人の名は、年齢が上なのと、南極星の権化と考えられていることから、通常は七福神の最初の神に序せられています。風貌(ふうぼう)は、宋王朝時代に存在した中国の仙人のそれで、背は低く、小さな書物をくくり付けたつえを持っています。この書物には人々の死期が書き込んであるということです。中身を見たがる人は大勢いるようですが、だれも見たものはいませんし、私もそのような特典は欲しくもありません。

人々は長生きをしたいがゆえに寿老人を敬いますが、だれもの死期がすでに書き込まれているとすれば、それを変えるわけにはいきません。寿老人はいつもシカを連れています。シカは黒シカです。というのは、寿老人は中国に由来し、中国的な性格を持ち、シカに対する信仰も中国のものだからです。中国人は、シカは千年生きると青色になり、千五百年で白色に、さらに二千年では黒色になると考えています。そして黒シカの肉を食べると二千年は生きられるとも信じています。

このような話を聞けば、寿老人がなぜいつも黒シカを連れているかがわかります。七福神がどのようにして日本にやって来て、彼らに関する伝説がどのようにして日本文化の一部になったか、とても面白いと思いませんか。私は、それは自然なことであり、理解できることだと思います。日本人は中国や韓国からたくさんの文化を受け入れましたから、七福神の渡来のようなことがなかったとすれば、それこそおかしなことでしょう。