須佐之男の愚行 - Susanoo's Misdeeds

子供のころの須佐之男は悪童でした。そしてたいへん泣き虫でした。あまりに泣くので天下の大洋、川、海の水が須佐之男の涙となるべく干上がってしまったほどです。伊耶那岐がなぜ泣いてばかりいるのかと尋ねると須佐之男は、黄泉の国に暮らす母に会いたいと言うではありませんか。これを聞いた伊耶那岐はたいそう怒り須佐之男を高天原から追放してしまいます。 須佐之男は、高天原を後にする前に姉の天照に別れの言葉を言いたくて会いに行きます。

ところが、高天原へ向かう途中の須佐之男の振る舞いは、豊饒な田畑を台無しにしたり多くの天変地異を引き起こしたりと、乱暴で手に負えないものでした。須佐之男のかような振る舞いを目にした天照は恐れをなし、男のように武装します。 天照の戦闘的な雰囲気を察知した須佐之男は、彼女に対し悪意のないこを告げ、そのことを証明するために自分との間に子供を設けようと天照に持ちかけます。

それは理に適っていると思った天照は、須佐之男から剣を受け取りそれを三つに折ってかみ砕きました。すると、三人の美しい女の子を産まれました。須佐之男は、天照の髪に飾られていた勾玉の首飾りを受け取りそれをかみ砕きました。今度は五人の端正な顔立ちの男の子が生まれました(八王子と呼ばれこの子供たちを覚えておいてください。 これは八人の姫という意味です この中の一人は地上初の天皇の系譜の祖となります この箇所は後で出てきます)

須佐之男は、自分こそこの競争における勝者であると思いました。なぜなら、彼の持ち物の中から三人の繊細で美しい女の子が誕生したからです。飛びあがらんばかりに喜んだ須佐之男は、高天原において数々の悪事を働きますが、天照は彼の行いをすべて許してやることにします。須佐之男が酔っ払っているというのがその理由でした(最近まで酔っ払いの働く悪行は大目に見てこられたのです)

とうとう須佐之男は、まだらの馬の皮をはぎそれを機織部屋の屋根から投げ入れ中で働いていた人を死なせてしまいます。天照が負傷したという説も存在します。いずれにせよ、この出来事により須佐之男の評判は傷付いてしまいます。怒った天照は、天の岩屋の中に姿を隠してしまいますが、このことが地上の人々に重大な結果をもたらします。

須佐之男は責任を取るため自分の手と足の爪を切られ、あごのひげをそられ、さらに1000のテーブルに相当する食べ物と贈り物を神々に捧げることを命じられます。そして次に須佐之男は彼の姉によって再び追放されてしまいます。彼は何一つまともにはできないようです。 しかしながら、あとに続く物語は、須佐之男がたいへん立派な人物であることを物語っています。