羽 - Feathers

羽

人類は、常に自然の要素を用いて美を追求してきました。美しいものに引かれるのは私たちの本能のように思われます。そして、人類の発達のレベルは、その美をどこまで利用できるかで測られるのです。

先人たちは、石から首飾りや道具を作り、貝殻を装飾品や道具に変え、木を使用して住居を建てました。そして、彼らは羽も利用したのです。南方の島では、羽を用いて長い布を織っていました。しかし、それ以前に、南アメリカの原住民が同じ目的で羽を使用していたことがわかっています。二つの異なる文化におけるこの共通点を考えるとき、彼らは同じルーツを持っているのではないかという推論も成り立ちます。

彼らは、同じデザインと材質のボートを使用していました。南洋文化の多くは南アメリカにその起源があるのでは、という気さえしてきます。アイヌ族のルーツも、そこにあるのかもしれません。古代の南アメリカの原住民はとても侵略的で好戦的でした。しかし、小民族であったために抑圧されていたほかの部族の反乱に遭い、居住地を離れることを余儀なくされました。いかだで海を漂流し、現在のニュージーランドを始め南太平洋の至るところにたどり着きました。おそらく日本にも漂着したことでしょう。彼らは行った先で、マオリ族あるいはアイヌ族などになりました。彼らの民話、特にマオリ族の民話にはそのことが如実に語られています。

羽は、弓の発明にともない矢の一部に使用されました。 アメリカインディアンが戦いの際に身に着けた頭飾り、さらに衣装やアクセサリーを美しく飾る材料にもなりました。人類の発達の過程には、常に羽があったように思います。ペンとして使用したり、茶会では炉の掃除に用いたりもしました。 そして、鳥のように飛ぶことを夢見た人間は、ごく自然に羽を翼に用いることを思い付きました。羽をさまざまな方法で活用する知恵は、神からの授かり物なのかもしれません。人類がどのように羽を使用してきたかを探ることで、文化の変遷をたどることができるのではないでしょうか。

アイヌ族の装飾品を見るたび、私はアメリカのアパッチインディアンを思いだします。彼らは西洋の部族ですが、慣習はどこでもとても似ていることに、いつも驚かされます。