手紙、そして別れ - Letters and Losses

手紙、そして別れ

もらったクリスマスカードに返事を書く季節です。フランス、タイ、ハワイ、日本全国、そしてアメリカといった場所からカードが届きました。この時期になり、手紙が送られてくるようになると、自分にどれくらいの友人がいるのかがわかります。また、どれくらいの友人が元気でやっているのか、私の最愛の母のようにこの世にもういない友人がどれくらいいるか、知ることはできません。

クリスマスになると私は送られてきたカードをリビングの壁に貼ります。かなりの場所を取りますが、今年は母からのカードがありませんので壁には私の心と同じようにぽっかりと穴が開いています。きっと同じような経験をお持ちの方がたくさんいらっしゃることと思います。悲しいことです。「時間が良薬」ということわざがありますが、その通りです。また、事実かどうか定かではありませんが「苦痛は忘れる」ということわざもあります。

わが家は寂しくなりました。子供たちが大学受験などで家を離れているのです。そうしたご家庭は多いと思います。私の娘は東京の学校に進学することになっています。また一人家を出て行くのです。あと2年もすると、わが家は私と妻だけになります。これまでやりたかったことが自由にできていいじゃないかという人もいますが、私としてはいつまでも昔のように家族全員で一緒に暮らしたいのです。無理であることは承知していますが、やはりそれが願いなのです。 親にできるのは、子供たちが成功を収め幸福な人生を送ってくれることを願うだけです。そして、君たちのことを心から愛している私たちのことを覚えておいてほしいのです。