足立美術館 1 - Adachi Museum of Art (part 1)

足立美術館 1

これまで松江地方のさまざまな事柄や場所について書いてきましたが、足立美術館について触れたことはありませんでした。というのも、最後に訪れたのが今からおよそ17年、8年前のことだからです。最近目にしていないことに関しては書きたくないのです。先日、足立美術館の今井館長から来館のご招待を受け出掛けました。

足立美術館について書かずにおいたのは賢明な判断だったのです。私が最初に訪れたとき、絵画が展示してある建物は一つしかありませんでしたが、現在では陶芸、油絵、墨絵を始めとするさまざまな分野における著名作家の作品を展示する大規模な美術館となっています。

建物群を取り巻く美しい庭園については今さら述べるまでもないでしょう。これらは美術館と見事に溶け合っています。人工物のように見えますし、もちろんその通りなのですが、庭園は周囲の山々とたいへんうまく融和しており、どこまでが人の手によるものでどこからが自然の始まりなのか見分けるのが困難です。大小さまざまな滝、苔の島、樹木、輝く白砂、岩が随所に見られ、まさに美しい庭と水の展覧会です。もちろん、遊歩道へ通り抜けることはできませんが、美術館の中からすべてを見渡すことができます。

今井さんと一緒に5時間かけて観て回りました。皆さんにもゆっくりと時間をかけご覧になることをお勧めします。 創設者の足立全康氏にもお会いしました。いろいろと冗談を交わしましたが、温かみがあり軒昂な方という印象を受けました。氏はユーモアのセンスをお持ちで、そして聡明な方です。90歳になられる足立氏は、今日までこの美術館をここまですばらしいものにしてこられました。お出掛けの際は、十分な時間をかけてご鑑賞ください。