出雲伝承館 その一 - The Izumo Cultural Heritage Museum 1

出雲伝承館 その一

学校が休暇に入り、少し自由な時間が取れた私は、出雲伝承館を訪ねました。建物は、一九〇三年に建てられ、古くなった江角家の母屋を改築したもので、最近解体され、現在の場所に移転されました。島根ワイナリーの近く、国道431号線と9号線の間にあります。直良光洋元出雲市長の時代に開館した伝承館は、現在岩国市政の下に引き継がれています。

藤間享氏が担当した建物は壮大で、彼が果たした文化的役割は大変大きなものです。私はこれまで、彼ほど出雲の文化に対して深い造詣を持った人物に出会ったことはなく、この素晴らしい伝承館の随所に、彼の知識が生かされています。

出雲伝承館は、以前は米蔵だった展示室、日本の古い建築様式を今に伝える家屋を始め、八つの建物から成っています。また、千利休の手により、茶人としても名高かった松江藩七代目藩主松平不昧公が好んだ茶室を復元したものもあります。出雲平野から吹き付ける強風から建物を保護するため、北側と西側には築地松が植えられており、この地方の伝統的な風景として人々から愛されています。一般に公開されるのは、今年の十月六日からです。 壮麗な枯れ山水(小石と岩)の庭園も作られる予定です。まだ完成していませんが、一足お先にとても楽しいい時間を過ごさせて頂きました。

また、庭園の一部には沢山の美しい緑の苔が生え苔庭の様相を呈しています。この平穏に包まれた庭園は不昧公自作の庭園を復元したものであると聞いています。彼は自然の美に満ちたその庭園を愛していたということです。私もとても気に入りました!。