島根と津和野の文化 - The Culture of Shimane and Tsuwano

毎年七月に鷺舞が行われる美しく小さな街、津和野は、昔の日本とその変遷に関心のある人にとっては興味を引かれる場所です。ここには、北斎作の版画を展示する美術館があります。北斎は、真に偉大な芸術家でしたが、安藤広重と入れ代わり斜陽に向かって行きました。

また津和野には、一九二一年に開館した郷土歴史館があります。この種の施設としては当時島根県で唯一のものでした。津和野を訪れる際は、是非ここを尋ねて見て下さい。 一九四〇年に再建された現在の郷土館には、津和野の歴史、文化にまつわる工芸品が陳列されており、森鴎外や西周が残した作品や署名などを目にする事も出来ます。

さらに、優秀な人材の養成機関であった藩校「養老館」に関する文書もあります。また、歴史愛好家達の為に、乙女峠のキリスト教にまつわる記録も保管されている他、郷土の工芸品や文学作品も展示されており、訪れる人々はこの地方の歴史を概観する事が出来ます。縄文時代を始めとする古代の出土品は、郷土館に異なる趣を添え、この地方の歴史が持つ奥深さを再認識させてくれます。

津和野から少し行くと、世界最大の砂時計で知られる仁摩町があります。この砂時計は必見です。 国道9号線沿いに連なる小さな町の数々は、私に古き良き日本を思い出させてくれます。こうした旅は魅力的で心休まり、私の気分を爽快なものにしてくれます。短い時間でも十分楽しく過ごす事が出来ますが、出来れば、一、二泊したいものです。決して忘れられない旅となることと思います。