美術の発展 - Art Development

狩野派の絵画には、日本画と中国画の要素が混合されています。狩野派は、約500年もの間大きな力を持っていました。狩野派最後の画家は、今からおよそ100年前、日本美術音楽学校で教えていたときに亡くなりました。彼は横山大観を始め当時の著名な芸術家たちを育てました。狩野派は、ほぼ400年にわたり隆盛を誇りました。

大観のすばらしい作品の数々を、世界最大の大観コレクションが収蔵されている足立美術館で鑑賞することができます。今度行かれるときは、大観がどの国の絵画の影響を最も強く受けたか、じっくり観察してみてください。水墨画は中国から伝わったものですが、大観は、自らが積んだ修業の根源を確かめるべく、中国の水墨画の画風へと回帰していきました。彼は、真に偉大な芸術家でした。

美術の発展について学ぶとき、私たちを取り巻く世界を見つめ、日本文化の発展に外国が与えた影響について考えなくてはなりません。と同時に、芸術の持つ美を楽しみ、そうした優れた作品を残してくれた偉大な芸術家たちの感性に思いを巡らせるのです。桃山時代は、作品に偉大な才能と威厳が感じられる点において、最高の時代だと思います。

粗削りな古代のつぼから現代作家の美しい作品まで、私はどれも好きです。しかし近年、美術界に好ましくない変化が見られます。もちろん中には、心から取り組んでいる優れた芸術家もいますが、多くの場合、ただお金を得るための仕事にすぎません。自分の腕に誇りを持って完全なものを作り上げようとした、そんな昔ながらのやり方の方がはるかに良いと思います。皆さんはいかがお考えですか。