宗教の発展 その一 - Religious Development 1

日本における最古の宗教は、独自の起源を持つ民間信仰であったと推測されています。そして、現代の宗教の姿から、この民間信仰がアニミズム、シャーマニズム、道教、ヒンズー教、儒教、仏教、果てはイランの太陽信仰の教義までも取り込んで行ったことは明らかです。新たに誕生した宗教が変化を遂げて行った要因として、時の為政者の政策や民衆の存在が挙げられます。

六世紀に日本に伝来した仏教も、その点に関しては例外ではありません。その教義のみならず、読み書きや建築技術までも日本にもたらした仏教は、外来文化の中でその重要性に於いて最高峰に位置しています。神道は、奈良、平安時代(七百十年-千百九十二年)にかけて、当時最も新しい宗教として発展を遂げたとされています。その神道もまた、民間信仰やその他の宗教の影響を受け絶えず変化を遂げました。

日本人特有の民族性と価値観が構築された背景には、当時の日本が、国家の指針となるべき独自の倫理を模索し始めてて間も無い新しい社会であったことが挙げられます。様々な宗教が混合し合っているという現象は他では見られないものです。言うまでもなく、こうした宗教の多くは、紀元前二百年頃に始まる、が日本を含む当時のアジア地域の大半に漢文化が伝播して行った中でもたらされたものです。

日本における文化の発展に関して、中国に目を向けずして語ることは出来ません。三千六百年以上も前に溯る中国の文献は言辞に尽くし難いほど素晴らしいものです。また、後に登場する日本に関する記述も大変興味深いものです。