神道と仏教 - Shinto and Buddhism

宗教としての神道は奈良時代(七一〇〜七九四)から平安時代(七九四〜一一八五)に始まりました。一八六一年まで、神道、仏教、道教、儒教が共存し、いくつかの神や聖人を共有していました。

神道を信じている人たちが仏教に矛盾を感じることはありませんでした。神道も仏教も同じものを信じていたからです。こうした宗教の在り方に幕府は満足せず、江戸時代(一六〇〇〜一八六八)には、神道が国家の正当な宗教となりました。当時、神道は「古道」と呼ばれましたが、本来は「随神(かんながら)の道」と呼ばれていました。一九四五年、神道は再びほかの宗教と同じ立場になります。

おそらく、縄文時代後期には、神道の前身はシャーマニズム(原始宗教)やまじない師であったと考えられます。まじない師の多くは女性で、中でも有名なのは女王卑弥呼でしょう。確かに、日本の古代人は自然を崇拝していました。これはよく理解できます。というのも、世界のどんな文化にも同じことがあったからです。洞窟に住んでいた古代人たちでさえそうでした。

太陽や月、水と風、大地と生き物、これらを崇拝するのは自然なことです。あらゆるものが、その持つ力に応じて崇拝されました。そして、太陽はあらゆるものの中で最高の神でした。アフリカ、アメリカ(南北とも)、中東、アジアでもそうでした。歴史の初期段階では、世界中どこでも同じ神を崇拝していたように思えます。のちに、人間が考え深くなり、賢くなるに従って変わってきたのです。

古い形の宗教は、いまでもオーストラリアのアボリジニやアフリカの現地人などの間に残っています。すべての宗教は少しづつ異なる点がありますが、似通っている部分もたくさんあるのです。