袴 - Hakama

袴

男性が着る「袴」の歴史は4世紀にまでさかのぼります。当時の袴は膝のところで結ぶようになっており、普段着として着用されていました。 出雲大社にあるオオクニヌシノミコトの像は、このような衣装を身に着けています。

鎌倉時代(1185-1333)から室町時代(1336-1573)にかけて、袴は幅の広いズボンのような形に変化し、侍に着用されました。貴族は「さしぬき」と呼ばれる袴に似たズボンのような形のものを履いていましたが、実は今日の映画や展示会などで袴として紹介されているものはこれなのです。

おもしろいことに、鎌倉時代には貴族の女性も袴を着用していました。鎌倉時代初期と平安時代には、女性は宮中での儀式の際、「うちき」と呼ばれる袴に似た衣装を身に着けていました。 以後、女性の普段着としての袴の登場は、女子学生が制服として着用した明治、大正時代を待たねばなりませんでした。

今日では、特別な儀式、日本古来の演劇、弓道や剣道といったスポーツの場を除いて、袴を見ることはほとんどありません。 男性は、長い間袴を着用していましたが明治時代になると洋服を着るようになりました。女性もほぼ同時期に西洋の服を着るようになりました。現在は上記のような場合を除いて、着物やその他の日本の伝統的な衣装を見かけることはあまりありません。