帽子 - Head Coverings

帽子

強すぎる太陽の光や雨から身を守るため、頭に覆いをかぶるようになったのが帽子の始まりのようです。日本も例外ではありません。日本における最初の帽子は、イグサで作ったつばの広いもので、「かざす」という言葉が転じて「笠(かさ)」と呼ばれるようになったと思われます。竹やわらで作った笠もありました。やがて、素材には綿、麻、羊毛、絹が一般的に使われるようになりました。

覆いのいくつかを紹介すると、角隠しと呼ばれる花嫁がかぶる絹でできた薄織があります。花嫁ならだれでも持っているとされた嫉妬の角を隠し、夫を信頼する証として着用しました。手ぬぐいは、昔、労働者やその他の大勢の人々に帽子として利用されました。物を包んだり、持ち運んだり、進物にかけたりして使うときはふくさになります。現在、タオルを贈答品として贈る習慣は手ぬぐいの名残です。

さらに、日本人は勉学などで気合いを入れなくてはならない場面では、鉢巻きという帯状のものを頭に締めます。また、戦争中には戦闘帽が頭部を守るために使用されました。戦国時代には、武将たちは兜をかぶり、足軽たちは革製の帽子を着用していました。しかし、侍がまげを結い、女性が日本髪を結うようになると、人々は帽子をあまりかぶらなくなりました。

明治維新後、西洋の帽子が大流行しました。着物と一緒にかぶる人もいたほどです。その一つに山高帽という、つばのある丸い形の帽子がありました。数年前まではよく見かけました。私が初めて日本に来た35年前にはとても多くの人がこの山高帽をかぶっていましたが、今ではめったに見かけません。時代が変わると習慣も変わっていくものです。

アメリカの帽子は、長い間動物の皮を使用して作ってきたという点で、非常にユニークだと思います。立派な紳士がかぶる高い帽子もビーバーの皮で作られています。 もちろん、狩師もビーバーの皮で作った帽子をかぶっていましたが、まるでビーバーの剥製のようで、洗練されているとは言い難いものでした。当時、シルクハットはとてもファッショナブルなもので、今なお公式な場面で着用されています。皆さんは日本の帽子についてどれぐらいご存じですか。