松竹梅-梅 - Sho-chiku-bai - Japanese Apricot

松竹梅-梅

梅は、春の到来を告げる花です。そのかぐわしい香りと純白の花によって、梅はだれからも愛され、多くの庭園で見ることができます。赤やピンクの花もあります。 桜や菊は、それぞれの季節になると華麗な花を咲かせますが、梅にはまた別の魅力があります。梅はそれらの花に比べると素朴で、まだ肌寒い時期に咲くため、勇敢さを象徴する花とされています。

梅の勇敢さと美しさは、多くの歌に歌われ、絵の題材として用いられています。梅の果汁を染料として使用した時代もありました。 健康を保つには、梅干しを一日一個食べると良いと言います。かなり信憑性のある話です。アメリカには、「一個のりんごが医者を遠ざける」という言葉があります。どちらも消化を助ける働きがあるのかもしれません。

梅の盆栽は、あまり繊細には見えませんが、とても美しいものです。私はそこに、日本人の精神の神髄を見る思いがします。梅という名前は、元の名前「Prunus Mume」の訛ったものです。 梅を使った料理はたいへん好まれ、日本中の家庭で食べられています。塩漬にして作ったとても酸っぱい「梅干」や、「梅酒」というブランデーのような飲み物もあります。力が出る、というので多くの人が愛飲しています。昔は、?人生の困難に負けないように?と、女の子に「梅」と名付けることも多かったようです。実際にこの名前の女性に出会ったことはありません。しかし、良い名前だと思います。

また、能を始めとするさまざまな演劇にも梅は登場します。機会があれば、満開の梅の花を見に梅園に行ってみませんか。昔の梅の花見会は、桜の花見に比べてとても静かだったそうです。おそらく、梅が咲くころはまだ寒いことが理由かと思われます。私も寒いのは苦手ですから、よくわかります。春が一番です。 梅の木は非常に美しく、日本では家の中の最も重要な場所の建材として珍重されています。

さらに、その美しさから、梅の木を用いた茶道具もあります。「うめえ」と言ったとか言わなかったとか。 こうした道具は、何十年、時には何百年も使用されています。これぞまさしく、わびさびの心です。梅のこうした役割を知るとき、日本人にとっての梅の大切さがしみじみと胸に伝わってきます。