お清め - The Cleansing

伊耶那美を黄泉の国から連れ戻そうとし、そしてその手から逃れてきたとき、自分の体が汚れていることに気付いた伊耶那岐は、水で体を洗おうと川へ赴きます(これはシャーマンの習慣です)。 伊耶那岐が衣を脱ぐと、そこから数多くの神が生まれ出ました(こうした神には日本の古語から成る名前が与えられましたが、そうした名は後に発展した新しい言葉に合うよう変化を遂げました、これは、ものを書く側にとっては好都合です)。

生まれた神の数は全部で十四人にのぼりました。 伊耶那岐は、川の中で水を浴びるのにちょうどよい流れの場所を見つけます。 伊耶那岐が体を洗っているうちにも、川の底で、真中で、表面で多くの神が生まれ出ました。最も偉大な奇跡が起こったのです。 伊耶那岐が顔を洗うと、左の目から太陽の神・天照が、右の目からは月の神・月読が、鼻からは嵐と海の神・須佐之男が誕生しました。

最後に誕生したこれら三人の神々は、伊耶那岐にとり最も大切な存在であり、また伊耶那岐が実の息子たちと見なしたのはこの三人だけでした。これはおそらく、彼らが伊耶那岐の体から生まれてきたことに由来するものと思われます。つまり三人は、後に日本となるその偉大な土地の正当な支配者だったのです(月と太陽誕生の物語は中国とフィリピンの神話にも存在しますが、須佐之男は日本に固有の存在です)。 天照、月読、須佐之男の三人が成人したとき、伊耶那岐は娘の天照に勾玉の首飾りと太陽と日の光を、(私は、勾玉の首飾りは多産の象徴であると確信しています)、月読には月と夜を操る力を、末っ子の須佐之男には嵐と海を操る力をそれぞれ授けました。

後に、われわれは、須佐之男が自らの国を受け継ぐことなく代わりに当時闇の国と呼ばれていた出雲の国の支配者となることを選び取るのを目撃することになります。