神話-その始まり - The Myths-The Beginning

今回は、森羅万象を生み出した神々について述べたいと思います。しかし、こうしたことは事実ではないため、彼らについて述べられているさまざまな文献を当たらなくてはなりません。

聖書同様、日本最古の書物・古事記も「最初に混沌が存在した」という内容で始まります。言葉はやや異なるものの、互いにとてもよく似ています。

遠い遠い昔、名前も形もないある塊が存在しました。三人の神が現れ天と大地を引き離すと、それは油のような液体に姿を変えました。そこへ二人の神が現れ、子孫を産み始めましたが、生まれてきたのは人間ではなくアシのようなものでした。そして、六つの世代の神々が現れ、極楽で長い間暮らしました。以上が物語の大まかな内容です。 そして遂に、われわれにとって最も大切な7代目の神々が姿を現します。

彼らは人間の姿をしており、土地と神々を創造するという使命と共にやってきたのでした。実は、彼らこそいざなう男の神・伊耶那岐といざなう女神・伊耶那美であったのであり、そしてこれこそが日本神話の始まりだったのです。

二人はほかの神々たちから受け取った宝石をはめ込んだ美しい矛を手に天の浮橋に行き、油のような大地にたどり着きました。 二人は、「オノゴロ、オノゴロ」といった音を立てながらそれをかきまぜていきます。彼らが矛を塊から引き上げるといくつかの滴が矛の先端から落ち、それが小さな島になりました。二人はその島を「おのごろ島」と名づけました。 日本神話の中でもこの部分は空想で描かれた完全な想像です。

もしかしたら、この物語の根底にあるのは史実であり、それが民話や伝説という形で伝えられたのかもしれません。こうした伝説は実に楽しいものです。