安来と梨 - Yasugi and Pears

9月5日、家内と二人で梨の栽培を見学しに、安来市の久白町にある島田穀さん御夫妻の梨園を訪れました。御二人は、梨を気に掛け、袋掛けをし、懸命に守り、我が子の様に大切にしていらっしゃいます。島田さんと彼の素敵な奥様は、明治時代後期に島田さんの御爺様が始められた梨園で梨を育てる生活に心から満足していらっしゃる様にお見を受けしました。

梨の栽培など簡単なことだと思われる方もいるかも知れません。しかし、実際には休む暇も無く、心配の種も尽きません。梨を栽培する者は害虫、木の病気、天候、肥料を始め、梨の木に影響を与えるもの全てに精通していなくてはなりません。私には到底出来そうもありません。 樹齢も大変重要な要素です。

島田さんの話では、樹齢百年になる木もあるということですが、梨の栽培に最も適しているのは、30年〜40年の木だということです。島田さんはまた、一本の木は一生の内に2000個もの実を付けると話して下さいました。梨の花は一つ一つ手で授粉し、育つ途中段階と、実が大きく成長した時の二度に渡って袋掛けをし、手で丁寧にもぎます。

島田さんの奥様が私達にいくつか梨を下さいましたが、新鮮で、甘く、今まで味わったことの無いほど美味しい梨でした。大変あっさりしており、生き返る思いがしました。島田さんは、梨の栽培を受け継ごうという若い人がいないと嘆いていらっしゃいました。もしそれが現実のものになってしまえば、後数年で梨を味わうことが出来なくなってしまうかも知れません。何たる悲劇でしょう!。

安来の梨は、それを慈しむ人々の手により隆盛を誇っています。自然と共に生きる人達は皆温かい心の持ち主です。どうか安来や島根のその他の地域で栽培された梨を味わってみて下さい。本当においしいですよ!。