国際化 - International Progress

6月4日、数人のお客にこの地方を案内して回りましたが、その中の一人に、何年も前に交換留学生として来日した経験をお持ちの方がいました。今では彼女も結婚し、かわいい1児の母親です。ペンシルバニアからやってきたその若いご婦人は、名前をケイシィー・ラザイさんといいます。彼女は日本語を一生懸命勉強し、今ではとても上手に話します。

交換留学生の多くはとても優秀で、日本にいる間できる限り多くを学ぼうと懸命に勉強します。ケイシィーもそうした学生の一人でした。彼女は清野ちえこさんという女性からピアノも習っていました。 アメリカに帰国後もケイシィーは日本語を学び続けました。それは彼女の人生においてきわめて意義のあることだったのです。清野さんとケイシィーは親友で、清野さんは何度かアメリカにケイシィーを訪ねたことがあります。実際二人は母と娘のようです。

この地を訪れる交換留学生にとり、人なつこく魅力あふれるこの街での体験は生涯忘れられない思い出となることでしょう。彼らは島根県や山陰地方が全世界に交流の輪を広げるうえで力となってくれるはずです。交換留学生制度と進取の気性に富んだ発想によって、山陰地方のイメージは以前と比べはるかに近代的なものになりました。

私が初めてここを訪れたとき、山陰地方にアメリカ人はほとんどいませんでした。事実、私は自分以外のアメリカ人を一人も知りませんでした。何人かのスペイン人宣教師はいましたが、彼らを除けば私以外に外国人はいなかったと思います。私はアメリカに16年間帰ることなく、そうした状況を存分に楽しみました。しかし、現在では45人のアメリカ人がこの地で暮らしており、まるで群衆の中にいるようです。また、そのほかの国々から来ている人たちも大勢います。最も多いのは南北朝鮮の約1350人、次いでフィリピン、中国がそれぞれ約200人、そしてアメリカ、イギリスと続きます。

島根県にはおよそ30もの国からの人々が暮らしています。とても国際的ですね。 アメリカには島根県人会が三つあります。一つはハワイ、もう一つはカリフォルニア、そしてニューヨークです。島根人はまさに全世界に広がっているようです。すばらしいと思いませんか。そうです、すばらしいことなのです。山陰に暮らす私たちは、真の世界的視野を持ちつつあるのです。