出雲文化伝承館 その二 - The Izumo Cultural Heritage Museum 2

出雲文化伝承館 その二

日本文化を展示する際、茶室は決して欠かすことの出来ない要素ですが、この点については、出雲文化伝承館も例外ではありません。そこには、独楽庵という三つの部屋から成る美しい茶室があり、訪れた人達は茶の湯を楽しむことが出来ます。

元々は千利休の手によるこの茶室は、伝承館に非常にうまく溶け込んでいます。 その中の一つは畳わずか二畳分しかありませんが、その狭さ故、わびさびの世界がより深まり、相手との調和をより強く感じることが出来たことから、不昧公お気に入りの茶室であったといいます。晩年、不昧公は江戸の住いに、独楽庵に似せた茶室を作らせたということです。

この素晴らしい伝承館については、語っても語り尽くすことは出来ませんが、ここで一つ困った問題が浮上しました。誰も伝承館が何処にあるのか知らなかったのです!。方々探しましたが見つかりません。遂に一人の老婦人に尋ねましたが、あまり出歩かないものですから、最近の事は分かりません」とのこと。しかし、興奮した様子の母親から私と会ったことを聞いた彼女の娘さんが、道順を丁寧に教えて下さいました(どうもありがとうございました!)

着くなり友人の藤間さんに会い、多くのことを語り合いながら、楽しい時間を過ごしました。その中で、「周辺に英語の案内板が必要だ。」ということで私達二人は意見の一致を見ました。 藤間さんは、私の知人の中で最も博識のある一人で、私が大変興味を持っている伝承館の歴史についてつぶさに話して下さいました。

彼は、伝承館と出雲地方の文化の歴史をとても誇りにしています。私達二人は、人々がもっとこの地域の偉大な文化、歴史について学んでくれたらとの思いを強くしました。それは実に素晴らしいものなのです。今年十月六日、出雲は伝承館の開館式典において皇太子殿下浩宮様ご臨席の栄に浴します。殿下は前日の五日開催される植樹祭に御出席のため来県なさいますが、伝承館開館のために翌日まで滞在なさるということです。

皆さんもこの伝承館の美しさを堪能してみませんか。そして、時間が許せば、どうか茶の湯でくつろいで下さい。