海辺の町 加賀 - Kaga on the Sea

加賀は日本海沿いにある小さな美しい漁村です。ここには、鮫に姿を変え、通り掛る船を襲うという女神の伝説が残っています。船主達は鮫が船に近付かない様に、舷側を叩いて威嚇しながら曳航します。

この伝説の背景には、その昔ここで起きた一人の子供の溺死事故の存在があるのかもしれません。加賀にはボートで探索することが出来る洞窟があり、中に入って行くと、積み上げられた石に遭遇します。この積み石には、魂の平穏を願う人々の仏様への祈りが込められています。おびただしい数の積み石が並び、新たに石を置く場所を見つけるのが困難なほどです。そこからボートに乗り山を通り抜けると、もう一つ別の洞窟へ辿り着くことが出来ます。

この洞窟にはある伝説が存在します。一人の女神が、暗闇に支配された洞窟の上部に光りの矢を放ち、人々に明かりをもたらしたというものです。このような物語に私は魅了されます。そして、私が終の棲家と心に決めた出雲の国に伝わる神話や伝承について研究している理由もここにあるのです。

加賀には海水浴場もありますが、私がここで最も好きなのは、岬の先や丘を散策することです。美しい風景の中を歩いていると、心が落ち着き安らかな気持ちになれるのです。私の大好きな海藻を養殖しているところも見ることも出来ます。 しかし、その際気を付けなくてはならない点も幾つかあります。急な崖で時折地滑りが起こるのです。滅多に遭遇することはありませんが、油断は禁物です。海を見るために、穴の縁に近付き過ぎないことです。

岩石の採集家にとって、加賀はたまらなく魅力的な場所です。友人の一人は、暇さえあればここにやって来ます。彼によると、めのうやひすいを始め、希少な石を多く発見することが出来るそうです。 家族と素敵な休日を過ごしたいと思ってらっしゃる方、日本海の海岸を訪れてはいかがですか。特に加賀はお勧めです。