仁摩の砂時計 - Nima and the Sandglass

仁摩の砂時計

島根県仁摩町は日本海沿いにある人口5700人の小さな町です。わずかではありますが、その数は年々増加しています。若い人達は都会に憧れるようですが、以前にも述べた様に、私には素朴な人々の住む人情味溢れる小さな町の方が居心地良く感じられます。人々は誠実さと勤勉さに溢れ、相互の信頼感が今も生きています。実にのどかで心を和ます。

仁摩町には、琴ヶ浜と呼ばれる海岸があり、多くの海水浴客や観光客が訪れます。ここの砂浜の上を歩くと、キュッキュッという音がします。私は密かにこの砂浜を“歌う砂浜”と呼んでいます。ロマンティックだと思いませんか。☆いずみみちお☆仁摩町長や職員の方達の頭の中では、現在様々な構想が練られています。

中でも最大のものは、数多くの種類の砂を展示したり、訪れる人が研究や教育目的に利用することの出来る「砂の博物館」の建設です。そして、その中には一年の時を刻む砂時計の建設計画もあります。私はこれまでに様々な砂時計を見てきましたが、一年計などというものは聞いたことがありません!。

1991年3月31日の開館予定日に向け、工事は着々と進んでいます。似た質の砂が採れる西ドイツ、エジプトといった国から技術協力を仰ぎます。

自然を守り、人間と砂の新たな関係を模索することを基本コンセプトとするこの博物館で人々を最も引き付けるものと言えば、やはり砂時計でしょう。高さ5メートル、幅約1メートルに及ぶ巨大な砂時計は、一年に一度だけ、大晦日から元旦へ年が変わる瞬間回転します。そのスケールの大きさに圧倒されます。

博物館は、見学者が琴ヶ浜の鳴き砂について視覚的に理解できる☆リサーチセンター☆になる予定です。一見の価値ありです。 皆さん、1991年の3月31日には仁摩町を訪れ、この砂の博物館の開館を共に祝いましょう。