線香( せんこう) - Senko (incense sticks)

線香( せんこう)

線香は香料を棒状に固めたもので、灯明とともに仏教徒が先祖の霊を供養するときに仏壇や墓前に供えます。香炉の灰に線香を立て、火を点けてくゆらし、仏前に供えます。線香の主成分は、白檀(びゃくだん)・沈香(じんこう)・伽羅(きゃら)・安息香・丁子(ちょうじ)などの香木や麝香(じゃこう)・海狸香(かいりこう)などの動物性の香料です。これらの香料を混ぜ合わせたものに緑または茶の着色剤と松脂を加えて棒状に練り固めて作ります。この他に、粉末にした杉の葉に香料を混ぜて作った線香も広く使われています。

線香は江戸時代の初期に中国から日本に伝えられました。それ以前は、粉状の香が広く使われていましたが、取り扱いがはるかに簡単な線香がこれに取って代わり、葬式や法事などの仏教の儀式や墓参りにはなくてはならないものとなっています。